残業で毎日終わる人が、“自分の時間”を取り戻すための最初の一歩

最近、「ワークライフバランスを捨てる」という発言が話題になる一方で、20〜30代を中心に残業に対する考え方が変化しています。残業は必ずしも悪いものではなく、成長や成果のために必要な場合もありますが、自分の意思でコントロールできない環境に悩む人も多いのが現実です。大切なのは、惰性で残業するのではなく、「本当に必要な残業か」「その時間に見合うリターンがあるか」を考えることです。そして、自分がコントロールできる範囲を少しずつ広げることで、“時間に追われる働き方”から“自分の時間を取り戻す働き方”へと変えていくことができます。

 


最近、「ワークライフバランスを捨てる」という高市大臣の発言が話題になりました。
この言葉を聞いて、反発を感じた人もいれば、「たしかに一理ある」と思った人もいるでしょう。

YAHOOニュース:
「高市早苗氏の「ワークライフバランス捨てる」発言を称賛している人が見えていないもの」

内閣府:
「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」

実際、20〜30代のビジネスパーソンの間では、“残業”に対する考え方が大きく変化しています。
かつては「残業する=頑張っている」という評価軸がありましたが、今では「残業する=生産性が低い」と見られることもあります。

一方で、残業をゼロにすることが必ずしも“正解”とは限りません。
プロジェクトの立ち上げ期や、学びの機会を得るために自ら残業を選ぶケースもあります。
重要なのは、“どんな目的で時間を使っているか”です。

本記事では、「残業をなくす」ことを目的にするのではなく、
「自分の時間を取り戻すために、残業をどう捉え、どうコントロールしていくか」
という視点で考えてみたいと思います。

 

残業は「悪」なのか?


日本では長らく、「残業=悪」という構図が語られてきました。
たしかに、無駄な残業や、上司の顔色をうかがうだけの“意味のない残業”は、心身をすり減らすだけです。
(イ・イギョンさんの「定時退勤」という曲みたいな感じですね。)

しかし、すべての残業が悪ではありません。
新しいスキルを身につけたり、経験を積んだりするために、自らの意思で時間を投資することもあるでしょう。
それは「未来への投資」であり、長期的に見れば“残業”というより“自己投資の時間”とも言えます。

問題は、自分の意思で選べているかどうかです。
「やらされている残業」と「選んでいる残業」では、疲労感も満足度もまったく違います。

 

コントロールできない現実もある


とはいえ、現実には「自分の意思ではコントロールできない残業」も存在します。
人員不足、非効率な会議、上司の急な依頼……。
これらは個人の努力では解決できない構造的な問題です。

そんなとき、「自分が悪い」「要領が悪い」と自分を責めてしまう人が多いですが、
それは間違いです。
コントロールできないものに対して、無理に抗う必要はありません。

大切なのは、自分がコントロールできる範囲を見極めることです。
そして、その範囲を少しずつ広げていくこと。
これが、「自分の時間を取り戻す」ための最初の一歩になります。

 

ステップ1: それは本当に“必要な残業”かを考える


まずは、「この残業は本当に必要なのか?」という問いを自分に投げかけてみましょう。

・その仕事は、今日中にやらなければならないのか?
・他の人に依頼できないか?
・次回以降の仕組みを変えれば、残業せずに済むのではないか?

これを考えるだけでも、1日の使い方が変わります。
重要なのは、「残業をやめること」ではなく、「意味のない残業を減らすこと」です。

必要な残業は、目的が明確です。
しかし、不必要な残業は、ただ「終わらせたい」だけで動いていることが多いのです。
この線引きを意識できるようになると、残業の総量が自然と減っていきます。

 

ステップ2: 残業に対する“投資対効果”を考える


次に意識したいのが、「投資対効果(ROI)」の発想です。

あなたが1時間残業することで、どんな価値が得られるでしょうか。
・明日の仕事がスムーズになる
・スキルが身につく
・上司や同僚から信頼される

こうした“リターン”があるなら、その残業は「投資」と言えます。
しかし、リターンが見えない、あるいは自分の時間を奪うだけの残業なら、
それは「浪費」かもしれません。

仕事を“投資”として捉えることで、
「この時間をどこに使うべきか?」という意識が自然と芽生

 

ステップ3: 自分の“コントロール量”を増やす


そして最後に、自分のコントロール範囲を少しずつ広げることです。

これは、すぐにできることではありません。
しかし、日々の小さな選択を積み重ねることで、
「自分で選べる範囲」は確実に増えていきます。

例えば、
・タスクの優先順位を自分で決める
・残業の原因を記録して改善策を考える
・効率化できるツールを導入する
・上司やチームに改善提案をする

こうした積み重ねが、“自分で働き方をコントロールする力”になります。
この力が増えるほど、残業に対しても「やらされ感」ではなく「選択感」が持てるようになります。

 

自分の時間を“取り戻す”という発想

「残業を減らす」ことがゴールではありません。
本当の目的は、自分の時間を取り戻すことです。

誰かに決められた働き方ではなく、
自分の意思で「どう時間を使うか」を選べる状態を目指すことが大切です。

もちろん、環境を一夜で変えることはできません。
しかし、今日からできる小さな一歩――
「この残業は必要か?」「この時間に価値があるか?」を考えるだけで、
時間の使い方は確実に変わっていきます。

好きな仕事をして、好きに残業している人には正直、お節介な話かもしれませんが…

時間は、誰にとっても平等です。
ただし、時間の「使い方」には差がつく。
惰性で過ごす1時間と、意識的に選んだ1時間では、
1年後にまったく違う未来が待っています。

「忙しいから仕方ない」と諦めるのではなく、
「どうすれば自分の時間を取り戻せるか?」を考えること。
それが、働き方を変えるための最初の一歩です。

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